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ラーメン丼ぶりの絵付け

 今日は一日雨で、しかも寒~い日でしたね。なので当然のごとく灯油ストーブを付けて午後からラーメン丼ぶりの絵付け作業をしました。素焼きに入れる前の生土の時に大方の線描きのデザインをしてたのですが、この場に及んで色で悩んでしまいました。何色の色を使うかは私にとって重要です。3色までが私にとってベストです。この4個の丼ぶりですが、結構時間が掛かりました。絵付けをメインに制作されてる陶芸家の方々は一個完成させるのに莫大な時間をかけていらっしゃるのですね。でもいくら時間や労力をかけたとしても、作品が報われなければ意味がないですよね。全ては自分の表現の為の作業になると思います。私もいままで無駄な作業を多々してきましたが、この無駄と思う作業は実はデザインの選択に役立ってくれたと思ってます。物を作り出すという事は無駄と思われる作業を沢山する事にもなります。
 さて杉森久英著「滝田樗陰」中央公論 名編集者の生涯を読み終えました。この本の中に有島武郎と心中した波多野秋子さんの事も書いてありました。中央公論は当時婦人公論も手掛けていました。その女性記者が波多野秋子さんでした。絶世の美人との噂でした。樗陰の波多野秋子の印象は本より引用させていただくと「近づいてよく見ると、顔にうっすらと雀斑の見えるのと、一体が少し頑丈に出来ていて、柔らか味と円味に乏しいような感じのするのが、欠点といえば欠点であったけれど、背は高く、肉付きも程よく、血色もよく、殊に眼が大きく活々と輝き、何処から見ても先ず言い分のない美人といってよかった。身の扮装もキチンと調って、華美に流れず、地味に失せず、其の好みは誰にでも好い感じを与えるに十分であった。立ち居振る舞いも日本の女としてはハキハキした方で、書いたものなどには溌剌とした才気が溢れていた。可なりの素養もあり、才気もあるのに、前に云ったような容貌と服装だから、波多野さんを見た人は誰でも「素敵な美人だ」、「なかなか美しい女だ」と言わぬものはなかったようである。」長いので後半は省略いたしました。この美人記者が作家の所へ原稿依頼をしてたので、作家はすぐに快諾したようです。がしかし、芥川龍之介が、美人記者の噂を聞きつけ、どうして自分の所へは波多野秋子記者が来ないのかとクレームを付けたようで、その後この美人記者は芥川龍之介より「猿蟹合戦」の原稿を獲得したというエピソードがあります。余談ですが、有島武郎の「或る女」とても面白かったです。
 こちらは絵付けをする前のラーメン丼ぶりです。手前の皿はターコイズの皿です。

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そしてこちらが半日掛かって塗り終えたラーメン丼ぶりです。思った色になりますように!これは今週の土曜日に二回目本焼きします。 
さてこれから本焼きした窯出しをします。陶芸をしてて何が一番の楽しみかと問われれば、「窯出し」です。ここに良かったのか悪かったのかの全ての結果が出てきます。5割成功だったら良いほうです。さて結果はどうでしょうね。


ラーメン丼ぶりの絵付け_d0385870_22204126.jpg



 

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by sannkakubashi | 2019-04-10 23:25 | 制作 | Comments(0)